ストラスブールで4回引っ越しました。まゆさんにインタビュー。


Bonjour, こんにちはMakiです。今回もインタビュー記事をお送りします。


お話をお聞きするのは、ワーキングホリデービザを使って、ストラスブールに滞在しているまゆさんです。

ストラスブールではめったに日本人の方にはお会いしないのですが(単に私が知らないだけという話も…)、偶然にもAteliers Ouvertsという、ストラスブールの街に点在するアーティストのアトリエを一般の人に開放するイベントで訪れたあるアトリエで、まゆさんのそのお友達ちひろさんに出会いました。

私の知り合いの日本人は学生ビザで来ている人ばかりだったので、ワーキングホリデービザで来ている方はどのような経緯で来られて、何をされているのか、など聞いてみました。


(現在のおすまいからの景色。普段生活していると全く見えない山が見える!!)


フランス語との出会い


筆者:今日はお時間をとっていただき、ありがとうございます。さっそくなんですが、まゆさんがストラスブールに来られるまでの経緯を教えてください。

まゆさん:もともとは学生時代から「留学をしたい」というのがあって、でもそれができないまま社会人になったんです。たまたま、大学の契約職員として働いていたときに、仕事後に大学の授業を受講することができて。語学はもとから興味があって、本当はイタリア語を取りたかったんですけど、時間があわず、消去法でフランス語を選びました。学生時代にフランス語をやっていたのもあって、中級レベルを取ったのですが難しくて。先生に「無理だ」と言いに行ったら、「せっかく始めたんだからもうちょっと頑張りなよ」と言われて。


筆者:へー!そんな制度があるんですね。知らなかったです。

まゆさん:3年ほど経ったときに、だいぶフランス語ができるようになってきました。多分、同じ授業を何回も受けたっていうのが良かったんだと思います。で、先生にアリアンス・フランセーズでもフランス語勉強してみたら、と言われて。大学の授業と並行してアリアンスのA2のクラスで2年ほど勉強しました。


筆者:ストラスブールを留学先に選んだのは?

まゆさん:大学のフランス語の先生も、アリアンスの当時の館長もアルザス出身で、そこからよくアルザスの話を聞くようになりました。それに、働いていた大学がストラスブール大学と協定を結んでいて、必然とよくストラスブール大学の名前も聞いていました。


筆者:では、まわりの環境の影響が大きかったんですね。

まゆさん:そうですね。最初は学生ビザを取ろうとしたんですけど、1月入学だと語学学校の証明書が半年分しか出ないからビザも半年分しか出してもらえなくて。結局、半年分の学生ビザでまず2016年1月に渡仏しました。そのビザで7月までストラスブールにいられたんですが、その時期はあまり友達もできずに、ストレスが重なってしまって、もういいやって感じになり・・。なので、少し早めに日本に帰国しちゃいました。


筆者:異国の地での一人って本当に辛いですよね。そのときのビザ取得はご自分でやられたんですか?

まゆさん:「自分でやった方が絶対いい」という大学の先生のススメで自分でやりました。私が準備をしている期間にキャンパスフランスの仕様が一気に変わって、2015年内に出発する人は今までのサイトで、年が明けてから出発する人は新しいサイトで手続きをしなくてはならず。私は1月出発だったから、うそでしょ~と、大変でした。ちなみに、ビザ申請に必要な学校の志望動機などはフランス語の先生にみてもらいました。


筆者:学生ビザで来られたときは、ストラスブールでのお住いはどうされましたか?

まゆさん:最初はフランス人の家庭がいいって先生にもススメられて、ホームステイをしました。ストラスブールの日仏交流のメーリングリストがあるみたいで、そこに大学の先生がホームステイ先を探しているというメッセージを送ってくれて。お返事は5,6通あったのですが、ストラスブールの中心部に近いという条件でしぼりました。家賃は月250€くらいで、最初の3ヶ月だけ滞在し、その後はここ(Maison Universitaire Internationale)に引っ越しました。ステイ先では、朝と夜にごはんを用意してくれるんですけど、驚いたことに、ご家族はみんなバラバラに食べるんですよね。楽ではあったけど、少し寂しかったな。


筆者:語学学校の方はどうでしたか?

まゆさん:すでに日本でDELF B1を取得していたので、B2のクラスに登録したんですけど、全く自信もなく、授業中も全然発言できず。当時は、学校のない土日はステイ先にもいたくなくて、時間を潰すためにオランジュリー公園を散歩したり、美術館に行ったりしました。旅行もあまり勇気がなくて。本当に辛かったですね。


(現在のおすまいMaison Universitraire Internationale。1990年から使われなくなっていた格納庫Tour Seegmullerが学生寮として生まれ変わった。)


筆者:3ヶ月ホームステイをして、引っ越されたんですよね?

まゆさん:はい、ここ(Maison Universitaire Internationale)はインターネットでの予約ができて。MUIで検索してみてください。その時は、一番高い部屋しか空いてなくてしぶしぶそこに引っ越しました。笑


挫折、そして再挑戦


筆者:そして、2016年の6月に日本に戻って、またワーキングホリデービザで戻ってこられた。この間には何があったのでしょうか?

まゆさん:色々考えて、自分の中の自信として「海外で1年は暮らしたぞ」と言いたかったのがあって。それと、このまま嫌な気持ちのまま終わらせるのも嫌だなって思って。年齢的にぎりぎりワーキングホリデービザが取れるということにも気がつきました。なのですぐに準備をして、2016年8月の終わりにはストラスブールに戻ってきました。

ただ、このときは住まいが決まらなくて。最初の1週間くらいはホテルに滞在して探したんですけど、それでもダメで。日仏会館で部屋探しを手伝ってもらい、いくつか候補を挙げてもらって、その中からフランス語での電話は苦手なので、メールで対応してくれるところだけにメールを送りました。笑 そこで見つけたのが、キリスト教系の学生寮でした。ここは12月まで、4ヶ月くらい滞在しました。というのも、そのときは1月に帰国しようと決めていたんです。笑


筆者:え、1年住むっておっしゃっていたじゃないですか。笑

まゆさん:うーん、語学学校が12月に終わるっていうのと、帰りの航空券を1月に予約していたので、そう決めていました。

筆者:そこでやっぱり残ろうと思ったのは?

まゆさん:日本人の友達ができてけっこう楽しいと思えるようになってきたんです。でも、残るとしても、語学学校も終わってしまうし、何をしようっていうのがあって。

筆者:語学学校は続けようとは?

まゆさん:語学学校のB2レベルテストにギリギリ受かってしまい、そのときC1のクラスに入れられたんだけど、できるわけない、と思いました。事実、本当に授業についていけなかった。扱う主題が難しいし、興味も持てなくて。もともとB2を目標にしていたこともあり、学校を続けようとは思いませんでした。

筆者:うーん、授業内容に興味が持てないと続けるのって辛いですよね。12月以降のお住いはどうされたんですか?

まゆさん:最初のアパートは、朝・夜の食事の時間が決まっていて、それが少し面倒くさくて。家賃は月600€くらいでした。なので、そのあとは、le bon coinで偶然見つけた学生寮みたいなところに引っ越しました。家賃は月500€くらいで、3月まで契約しました。というのも、2017年の3月でちょうど通算1年フランスに住んだことになるので。


ストラスブールでの出会い

筆者:おお、ものすごい慎重派ですね。では、3月で帰国する予定だったんですか?

まゆさん:実は、学生ビザで来たときから、働いていた大学の先生つながりで、ストラスブール大学の日本語学科で教えている日本人の先生に日本語の授業に出てみない?とお誘いいただきました。そこでは、学生からの質問に答えたり、会話の練習を手伝ったりしていました。ワーホリビザで来たときも、また声をかけていただきました。そんなつながりもあり、まだストラスブールに残ろうと思いました。なので、2番目のすまいから、前も住んでいたMUIに戻ってきました。

(現在のおすまい。明るくて、広い。家具全て付いてます。)

(キッチンもきれい)


筆者:まゆさんは知り合いの輪を増やすためにも語学カフェに参加していると聞きました。

まゆさん:もともとは、違う場所でやっている語学カフェのちらしを見つけて、そこに通い始めました。最初の語学カフェは最終的に英語をしゃべりたい人ばかりになってしまい自分には合わないなと思い、教えてもらったカフェ・ベルリンの方に行ってみました。こちらは参加人数も多く、とてもフランクな雰囲気でまざりやすかった。私は自分からガンガン行くタイプじゃないから、自分をしゃべらせる場所に追い込んで、ちょっとでも何か収穫があればいいなと思って参加しています。毎週通うことで、だんだん知り合いもできてきました。


筆者:それはいい方法ですね。留学中の最重要な要素として自己メンタルの管理があると思います。私は留学中の辛いときは、パンとチーズに逃げましたが・・・。まゆさんは、気分が落ち込んだときはどう対処されていますか?


まゆさん:とりあえず外に出てリフレッシュ、散歩します。考え事をしているときは、街なかよりもアパート近くの川沿いの道がちょうどいいです。あとは、何でも自分の思っていることを話せる日本人の友達の存在がありがたいです。すごく助けられています。


筆者:私も納得です。やはり日本語で話せる友達は大きな支えですよね。では、最後に、これからフランスでまゆさんのように何かに挑戦しようという人にメッセージはありますか?


まゆさん:何かを選択するときに迷うことはあるんだけど、迷ったときは難しい選択肢を選ぶ方が自分のためになると思います。だから、逃げずに難しい方を選択してほしいです。


筆者:帰国をみこしてアパートを契約し、「帰国か残るか」の難しい決断を2回も乗り越えたまゆさんは、まさにその言葉どおりのことをされてきたのですよね。どうも、ありがとうございました!



ストラスブールで計4回も引っ越しをされたまゆさん、学生が同じことをするのはお金が・・・ですが、これも社会人ならではの留学の楽しみ方なのかなと思いました。3ヶ月ごとに引っ越しって、大変そうだけど、楽しそう!

個人的に、MUIの建物は工事のときから何に生まれ変わるのかとワクワクしながら眺めていたので、まさか学生寮になり、しかもお部屋にお邪魔できるとは…!嬉しいです。外観も素敵で、立地も完璧、お部屋も綺麗で家具装備のいうことなしの学生マンションです。一番狭い18.5m2で492,18 €は、高いですが、この設備を考えれば、しょうがないのかなーと思います。短期間でも滞在可能だそうですので、気になった方は

https://www.amitel.eu/nos-residences/residence-maison-universitaire-internationale/

で調べてみてください。

また、街なかの語学カフェでフランス語の会話のレベルをあげつつ、知り合いも増やす、とてもいいアイデアですよね。私も参加してみようと思います!

この記事がフランス、ストラスブールに留学したいと思っている方の参考になれば、嬉しいです!

おまけ ストラスブールで出会ったオオバンの親子。赤ちゃんの頭がハゲワシ気味でかわいい。

Deep@Stras

大聖堂で有名なフランスの東のはじっこ、ストラスブールで暮らす兼業フリーランサーのブログ。日々の暮らしのこと、フランス生活で役立つことなどを発信していきます。

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