フランスで知る香水

ストラスブールもすっかり冬になった。が雪はふらない。

昨日、今日は雨がふり、さらに風もふく。

朝起きるとどしゃぶりの雨、これはトラムに乗るしかないと思って慌てて準備をしている私を尻目に、この季節の気まぐれな天気に慣れている彼は、あと30分後にはやんでるでしょ、と急ぎもしない。そして、本当にやんでしまうんだから、驚いてしまう。


今日は、香水にまつわるはなし。


私と香水の距離感は、日本にいるとき、とても遠かった。いくつか持ってはいたが、滅多につけない。つけるとしても、恐るおそる。まわりに悟られないくらいに、少しだけ。


それが、こちらに来てから、手首に1プッシュ、空気中に3プッシュほどして、素早くその下をくぐる、がお出かけ前の最後の仕上げになった。


郷に入れば郷に従え、である。

彼はもちろん、彼の両親も出かけるとなると、付ける付ける。しっかり香る。これぐらい、付けていいんだ、と衝撃を受けた。


彼の朝の支度も香水で仕上げる。まずは、しっかり香りのついたデオドラント。そして、香水は5プッシュほど、シャツに直接。シャツに香水のシミがついても、そのうち消えるから気にしない。そうすれば、夜までいい香りが続く。

私の職場でも、休憩あけはみんないい香りを漂わせて、戻ってくる。今までバッグに香水を瓶ごと入れている人を理解できなかったが、このためだったのかと納得する。


ちなみに、彼には膨大な香水コレクションが存在する。私が3,4個しか持っていないのに対し、20個ほどはあるだろう。全て、誕生日、クリスマスプレゼントの蓄積。毎年もらっても、使う量は限られているわけで、たまる一方なのだ。

その日の気分によって選ぶのではなく、これと決めたものをなくなるまで使い続ける。簡単、迷わない。スティーブ・ジョブズは毎日同じ服を着て、コーディネートを考える時間を節約したと聞くが、香水に関しても同じだったのだろうか。


香りというのは、服と同じように身にまとうものだから、季節によって変える、変えたくなるのも当然なのかもしれない。

面白いのは、もらった当時はどうも好きになれなくて、引き出しの奥においやった香水が、冬になって好きになりだした。トップノートのムっとしたマダム風のきつい香りがだめだったが、ぐっと寒くなって、ピンとはりつめた空気のこの季節によくあう。香水瓶のこぶりなサイズ感も気に入り、デスクの脇に腕時計と一緒に並べている。


反対に夏に使っていたのは、彼のメンズ用香水。爽やかでセクシーな海の香り。まるで爽やかな夏の男子がすぐ近くにいるようで、癒やされる。男性用香水を使うというのも、おすすめである。

こうやってみると、私も季節を感じて生きているんだと知り、嬉しくなる。


困ったときのプレゼントの定番である香水であるが、今年も彼とセフォラに香水探しの旅に繰り出すことになりそうである。ちなみに、彼ママはきれいな香水瓶を収集する癖がある。何に使うわけでもない、たまに出して眺める。そんな美を愛でる心って豊かだよな、と教えてもらう。

Deep@Stras

大聖堂で有名なフランスの東のはじっこ、ストラスブールで暮らす兼業フリーランサーのブログ。日々の暮らしのこと、フランス生活で役立つことなどを発信していきます。

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